11/16(土)ガイダンス・レクチャー 12/14(土)-15(日)型・手びねりによる制作 12/22(日)−24(火)ろくろによる制作 3/25(火)−28(金)釉掛け・焼成 4/5(土)・6(日)窯出し・論評会 募集要項

東工大POTTERY CAMP

ろくろによる制作

2013.12.22(日)-24(火)

DSC_12190.jpgろくろに粘土を据え付けるところから開始
DSC_12216.jpg制作した器たち
CIMG0446.jpg濱田庄司記念益子参考館を見学(12/23)
DSC_22272.jpg大皿制作の実演
DSC_32360.jpg大壺制作の実演
DSC_32302.jpgけずりの実演
DSC_32361.jpg益子陶芸美術館にて「土の姿」展を見学(12/24)
DSC_32389.jpgつかもとにて工房を見学(12/24)
DSC_32439.jpgつかもとのかまっこ製造工場を見学(12/24)
DSC_2289.jpg宿泊でお世話になった芳賀青年の家

「東工大 POTTERY CAMP」ろくろによる制作

2013年12月22〜24日の2泊3日で、ろくろによる制作をおこないました。

12月22日、朝、大型バスに着替え等が入った個人の荷物、そして、型・てびねりで成形した作品の積み込みから始まりました。トランクのスペースが心配でしたが、バスのトランクに何とか作品と荷物が収まり、いざ出発です。

車内で活動スケジュールや宿舎での部屋割り等の説明を受けているうちに益子へ到着。
まずは、宿舎である「栃木県芳賀青年の家」で入所式と昼食を済ませました。
その後、作陶スタイルに着替えて、今回、ろくろ成形をおこなう陶芸メッセ・益子の工房へと向かいました。

工房は、濱田庄司が暮らした母屋、焼成をおこなっていた登り窯が移築されている一画にあります。初めてみる登り窯に心を躍らせつつ、工房へ入ると、そこには12台のろくろが整然と並び、私達を待っていました。

ろくろを指導してくださるのは、型・てびねりに引き続き村田浩先生。そして、益子陶芸美術館の阿部智也さんと民芸店ましこの中山武さんのお二人が指導に加わってくださいました。

いよいよ、ろくろによる成形に入るのですが、まずはろくろに粘土を据え付けなければなりません。粘土の塊を、まるで菊の花の様に練っていく「菊練り」をおこない、粘土の中にある空気を抜きつつ円錐形にかたちを整えます。そして、ろくろと菊練りした粘土の中心軸がずれないように据え付けます。この作業がとても重要で、ここで軸がずれてしまうと、ろくろが回転したときにひずみがでてしまい、きれいに成形することができません。

粘土の据え付けが終わると、やっと器のかたちを作っていきます。村田先生に実演していただいた、茶碗・湯のみ・花生けなど基本的な形のつくりかたを参考にして、あとは黙々と制作に取り組んでいきます。初日は夕方まで、二日目はお昼から夜9時までろくろに向かい、成形を続けました。成形の合間をぬって、村田先生は私達では作ることが難しい大きな壺と皿の成形を実演して下さいました。たった一つの湯のみをつくるだけでも、大変な集中力を使います。集中が途切れると、途端に形がいびつになり、粘土があらぬ方向へ飛んでいってしまいます。このような中、全員が自身の気持ちをのせて成形に励みました。その結果、なんとか登り窯に収める目標数をつくりあげることができました。この後の工程である、高台を作り出す「けずり」の作業と素焼きは、村田先生や阿部さんにお願いし、次に作品に出会うのは釉掛け・窯焚きの時です。

今回、折角益子まで来たということもあって、濱田庄司記念益子参考館、益子陶芸美術館の「土の姿」展、つかもとの陶器制作工房と工場の見学にも行きました。益子参考館で自身も陶芸家である濱田友緒館長に、濱田庄司が追い求めた民藝や、やきものづくりについてご案内をいただきました。益子陶芸美術館では、「土の姿」展が開催されており、横堀聡副館長に展示会のご案内をいただきました。そして、益子最大の窯元である、つかもとにて、職人の手によるうつわづくりの現場と「峠の釜飯」の器であるかまっこの製産工場を見学しました。手仕事と機械による仕事の両方を目の当たりにすることができ、ものづくりの在り方の一側面を学べたのではないでしょうか。また、やきものの里である益子で、やきものがどのように生活の中に溶け込んでいるのかを感じることができたように思います。

今回のろくろ成形の様子は、資史料館の広瀬先生も、東工大 POTTERY CAMP便り番外編「昼は東京 夜は札幌」として報告してくださっています。あわせてお読みいただけると幸いです。

次回は、3月に3泊4日で、釉掛けと登り窯での焼成が待ち構えています。
これまでつくってきたものを、陶器として生まれ変わらせる時。
全員が力をあわせ、絶え間なく薪をくべつつ、登り窯を一昼夜焚き続けてきます。

<参考リンク>








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