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東工大博物館へようこそ

 東京工業大学(東工大)は,2011年5月26日に創立130周年を迎えました。明治維新後間もない1881(明治14)年,隅田川のほとり蔵前の地,江戸幕府の米蔵のあった浅草御蔵跡に,国立の東京職工学校として誕生しました。規模は小さくても当時の日本にはなかった近代工業を創出する人間を育てるという志をもって開学したのです。爾来,東京高等工業学校を経て,1929年に東京工業大学となり130年,教員,職員,学生一体となって関東大震災や戦災など幾多の困難を克服して参りました。今や,わが国の工業の創出に大きな役割を果たし,科学,技術で世界をリードする理工系総合大学として貢献しております。
 この間に,多数のすぐれた科学者,技術者,教育者,そして経営者が育ちました。また理工学だけでなく,本学では芸術,人文,社会科学分野の教育にも力を入れ,この分野でも優れた人びとが多数育ちました。
 今からおよそ30年前の1987年,創立100周年を記念した事業が計画され,本学の同窓会である蔵前工業会を母体とする募金会(会長:経団連名誉会長 土光敏夫)により卒業生や関係会社からの寄付金が集められ,本学の「科学・技術の教育・研究の業績の展示・保存を中心」とし,「遠き将来に向けての一層の発展」を期して,百年記念館が建てられました。
 百年記念館は,白川英樹博士のノーベル賞や,フェライト,水晶振動子,光通信などの業績の保存・展示という博物館活動の場であるとともに,会議室の提供など学術交流の場となってきました。2009年に東急線を挟んだ場所に東工大蔵前会館(TTF)が建設されたのを期に,2010年に博物館活動中心の場に模様替えをいたしました。その際,新図書館建設に伴い取り壊された地球史資料館の展示室を百年記念館に移設いたしました。大学博物館としての機能が集約されてきたこの機会に,すずかけ台キャンパスのフロンティア創造共同研究センター棟一階にある「新技術展示コーナー」を含めて,「東京工業大学博物館」という新組織を立ち上げました。博物館と名乗るからには,大学教育研究のアーカイブばかりでなく,初等・中等教育から生涯教育の振興までを担う使命を帯びることにもなります。そのため,常設展示のほか,特別展示・講演会やサイエンスカフェなどの諸活動を通じ,社会に開かれた大学の窓として貢献していきたいと思っております。是非お気軽にお立ち寄りいただければ幸いです。

平成23年7月 東京工業大学長(当時) 伊賀健一