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東京科学大学博物館へようこそ

 2024年10月1日、東京工業大学と東京医科歯科大学が統合し、東京科学大学が誕生しました。我が国の理工学系教育と医歯学系教育を先導してきた長い歴史を持つ二つの国立大学が令和の時代に一つになり、新たな歴史を刻み始めました。
 東京工業大学は、1881(明治14)年5月26日、隅田川のほとり蔵前の地、江戸幕府の米蔵のあった浅草御蔵跡に国立の東京職工学校として誕生しました。国内産業の近代化という国家的要請を背景に、指導的技術者の輩出と工業教育の普及という使命をもって開学した東京職工学校は、20世紀に入ると東京工業学校、東京高等工業学校へと名前を変え、9学科の設置、留学生の受入などの先進的な取り組みとともに発展していきます。関東大震災後はキャンパスを蔵前から大岡山に移転し、1929年には旧制国立大学に昇格、戦後は1947年に新制の国立大学となり、爾来、理工学系の総合大学として発展を続け、2024年の統合まで143年の歴史を積み重ねました。この間に、多数のすぐれた科学者、技術者、教育者、経営者を輩出するとともに、芸術、人文、社会科学の分野においても優れた人びとを輩出してきました。
 東京医科歯科大学は、当時唯一の官立歯科医学教育機関として、1928年10月12日に東京高等歯科医学校として神田錦町に誕生し、1930年には東京女子高等師範学校が湯島から大塚に移転するのに伴い、その跡地(現在の湯島キャンパス)への移転を開始しました。その後、1944年には医学科を設置して東京医学歯学専門学校となり、1946年には旧制の東京医科歯科大学に昇格、1951年には国立大学設置法に基づく新制の東京医科歯科大学となり、2024年の統合まで96年の歴史を重ねました。その間、附属病院とともに我が国の医歯学系分野の研究・教育をリードし、多くの人材を輩出してきました。

 東京科学大学博物館は、こうした二つの大学の偉大な歴史と貴重な文化遺産を新大学の学生や教職員、および本学とつながりを持つ国内外の大学・研究機関、本学を訪れる方たちに広く伝えることを目的に、さまざまな活動に取り組んで行くことを目指しています。

 博物館の本館は、大岡山キャンパスの正門脇に立つ「東京工業大学百年記念館」です。1987年に東京工業大学の創立100周年記念事業の目玉として竣工した同館は、当時東工大の建築学科教授であり、世界的な建築家として知られる篠原一男によって設計されました。準備期間を経て2011年に開館した東京工業大学博物館では、白川英樹博士や大隅良典博士のノーベル賞をはじめ、フェライト、水晶振動子、光通信など、同大学の主な研究業績を常設展示室にて公開し、また多彩なテーマの企画展やワークショップを開催してきました。今後はこうした活動をさらに充実させるとともに、湯島キャンパスをはじめとするそれぞれのキャンパスにも博物館の活動を展開していきたいと考えています。

令和6年10月1日 東京科学大学博物館長