東京工業大学博物館 常設企画・新規収蔵資料公開
『天野清の人と仕事』
天野清(1907-1945)は、著書『量子力学史』で知られる。戦後、量子力学に関心のある学生に広く読まれた書である。坂田昌一(2008 年ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英と小林誠の恩師)や武谷三男といった同時代の物理学者も、彼の諸著作に注目していた。
天野は、東京帝国大学理学部物理学科を卒業後、九州帝国大学工学部助手を経て、商工省中央度量衡検定所に奉職した。終戦の年である1945 年の4 月、空襲により夭折したが、その前年に彼は、東京工業大学の助教授となった。
焼失を免れた天野の遺蔵資料は、高田誠二・北海道大学名誉教授(中央度量衡検定所を引き継いだ計量研究所に戦後勤務)に寄託され、整理分析が進められていた。このたび、天野家のご厚意を得て、この遺蔵資料が、天野のかつての職場である本学の大学博物館(百年記念館)に寄贈された。今回の展示は、資料の寄贈を記念するとともに、この事実を社会一般に知らしめるために企画するものである。
監修・協力/高田誠二(北海道大学名誉教授)
山崎正勝(本学名誉教授)
中島秀人(本学社会理工学研究科教授)
梶 雅範(本学社会理工学研究科准教授)
問い合わせ:東京工業大学博物館2階事務室
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